「1日3食規則正しく食べましょう。」良く耳にするフレーズですよね。皆さんは1日3食きちんと召し上がっていますか?平成25年国民健康・栄養調査によると成人の朝食欠食率は男性で14.4%・女性9.8%で20代に至っては男性30.0%、女性25.4%と最も高い比率となっています。朝食に限らず、ダイエットのために昼食や夕食を抜くという声も。今回は1日3食食べることがなぜ大切なのかをお伝えしていきます。からだに良いとされる理由がちゃんとあるんですよ!
体内時計と朝食の関係
私たちのからだには体温やホルモンの分泌を調整するシステムが備わっていて、活動のタイミングを調節するための体内時計が組み込まれています。1日は24時間ですがこの体内時計は約25時間と少し長いことが分かっています。何もしなければ1日のサイクルと体内時計がずれてしまい、眠れない、朝起きられない、昼間に眠くなるなどの症状が出てしまいます。睡眠不足は放っておくと肥満や生活習慣病の原因となったり、精神的なリスクも大きくなってしまいます。この乱れた体内時計を24時間にリセットするために必要なのが日の光を浴びることによる「光の刺激」と朝食を食べることによる「食事の刺激」なのです。特に食事の刺激は直接遺伝子に働きかけるので調整力が高いといわれています。
朝食を抜くことによる悪影響
例に朝食を抜いた場合を考えてみましょう。前夜の夕食から翌日の昼食まで半日以上も時間が空くことになります。するとからだは飢餓状態になり、その防衛反応から食べたものを脂肪として蓄えようと働き太りやすくなってしまうのです。さらにお腹が空いていますから食事の量も多くなり、早食いになりやすくなります。ドカ食い、早食いは血糖値を急激に上昇させます。これにより血液中の糖を脂肪に変えるインスリンが過剰に分泌されてしまうため、脂肪の合成が促進され脂肪細胞が増えてしまいます。
また、朝食は体温を上げたり、脳や内臓器官の活動エネルギーを補う働きもあるので、朝食を欠食すると体温が上がらず、代謝は悪くなり、頭もボーっとして消化吸収も悪くなるというデメリットの連鎖がおきてしまいます。
こうした食事を抜く食生活が習慣化すれば、肥満にとどまらずインスリンの分泌量が減ったり、働きが悪くなって糖尿病や高血圧を引き起こすリスクが高くなります。また、食事を抜くことでビタミン、ミネラルやたんぱく質など必要な栄養素の不足にもつながり、老化を早めることにもなりかねません。
また、食事の間隔が短すぎると、食後血糖値が下がりきる前に次の食事が入ってくるので血糖値がまた高くなります。するとからだは高血糖状態が続いてしまうため太りやすくなってしまいます。ですから、1日3食、朝・昼・晩、食べることが様々な病気の予防や不調の改善、ダイエットや睡眠不足解消にもプラスになるのです。食事時間の目安ですが、朝食は起床から2時間以内、昼食は起床から5~7時間、夕食は就寝の2時間前(起床から12時間がベスト)には済ませるのが理想的といわれています。
いかがでしたか?
からだが1日に必要とする栄養素を過不足なく摂るためには3食の食事が必要です。もちろん何を食べても良いというわけではありません。主食・主菜・副菜のそろった食事が理想的です。朝食でからだを目覚めさせ、昼食で午後の活動のエネルギーを補給し、夕食で睡眠中につくられる筋肉や骨、ホルモンの材料を補給するという気持ちで栄養のバランスも意識していきたいですね。
1日3食規則正しい食事で健やかで前向きな毎日を過ごしていきましょう!
参考文献
「体内時計ダイエット」榛葉繁紀監修
「時間栄養学~時計遺伝子と食事のリズム」香川靖男編著、柴田重信他
「時計遺伝子ダイエット」香川靖男著
Author Profile
- 管理栄養士
- 2010年管理栄養士を取得。社員食堂栄養士、栄養相談員、商品開発など経験するなかで「食べたものが自分をつくっている」ということを改めて実感し、食に関する知識や栄養のバランスがとれた食事の大切さを日々発信している。食いしん坊の1児の母。
Latest entries
コラム2018.01.24香りや風味だけじゃない!ハーブの健康効果!
コラム2018.01.22今からでも間に合う!正月太りを解消できる食事法
コラム2018.01.18食物繊維のススメ!生活習慣病予防のための心強い味方!
コラム2018.01.17便秘予防だけじゃない!ヨーグルトの6つの健康効果