脂質異常症とは、血液中にふくまれるコレステロールや中性脂肪(トリグリセライド)などの脂質が、一定の基準よりも多い状態のことをいいます。以前は高脂血症ともいわれていました。血液中に余分な脂質が多くなると、動脈硬化を起こしやすくなり、心筋梗塞や脳卒中などのリスクが高くなります。コレステロールや中性脂肪の数値が高くなってきた方へ、生活習慣を見直して病気を防ぐためのポイントをお伝えしていきます。
脂質異常症を予防する3つのポイント
中性脂肪とコレステロールを増加させないために大切なことは食事です。やることは3つ。ご自身の食生活を見直してみましょう。
①腹八分目を心がける
食べすぎによるエネルギーの蓄積は肥満の原因になります。お茶碗を一回り小さいものに変えてみたり、ゆっくりよく噛んで満足感を得られやすくするのもおすすめです。特に21時以降の食事は脂肪に変換されやすいので、お腹いっぱいまで食べないようにしましょう。
②動物性脂肪を控えめにする
牛脂、豚脂、バターなどの動物性脂肪には飽和脂肪酸が多く、血中のコレステロール量を増やしてしまうので、摂りすぎないように注意しましょう。脂身の多いお肉は避けてヒレ肉やモモ肉を選んだり、バラ肉はさっと湯通ししてから使うと余分な脂を落とすことができますよ。バターは仕上げに使うことで少量でも風味が感じられやすく、満足感が得られやすくなります。
③食物繊維をしっかり摂る
食物繊維は消化管内で膨潤して食べ物の嵩を増やし、胃にとどまる時間を延長します。その結果、満足感が得られエネルギーの過剰摂取を予防できます。海藻類、こんにゃくなどに含まれている水溶性の食物繊維には血中のコレステロールの排出を促す作用があります。食の種類が多様化している現代では食物繊維が不足しがちになります。特に洋食がお好きな方は要注意!食事の最初に食べることで余分な脂質の吸収を防ぐ働きもあるので、野菜や海藻類、こんにゃくなど積極的に食べましょう。
コレステロールが高い方はここにも注意!
上記に加えコレステロールを下げたい方が注意したいのは、コレステロールが多い食品(鶏卵、イクラやタラコなどの魚卵、ウナギなど)を食べすぎないようにすることです。人によって、コレステロールが多い食品を食べるとすぐに血中コレステロール値が上がる人と、あまり反応しない人とがいます。反応しやすい人はとくに注意が必要です。
中性脂肪が高い方はここにも注意!
上記に加え中性脂肪を下げたい方が注意したいのは、アルコールです。アルコールの摂りすぎは中性脂肪を増やす原因となります。適量を守ることが大切です。適量とは、1日当たりビールなら大瓶1本、日本酒なら1合、ワインならグラス2杯程度までになります。
おすすめメニュー
切り干し大根のホットサラダ♪
https://kenko.cookpad.com/recipes/8897
ひじきと大豆のトマト煮
https://kenko.cookpad.com/recipes/5594
いかがでしたか?
コレステロールや中性脂肪は放っておくと、気が付いた時には取り返しがつかない状態になっている・・・なんていうことも少なくありません。食べているものが今の自分のからだをつくっているということを改めて意識して、毎日の食事を選択していきたいですね。
参考資料
改訂版 栄養の教科書 中嶋洋子監修
OMRONヘルスケア
Author Profile
- 管理栄養士
- 2010年管理栄養士を取得。社員食堂栄養士、栄養相談員、商品開発など経験するなかで「食べたものが自分をつくっている」ということを改めて実感し、食に関する知識や栄養のバランスがとれた食事の大切さを日々発信している。食いしん坊の1児の母。
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