妊娠中に果物の摂取が多めであった母親から生まれてくる子どもは、乳児期の脳の発育が良いことが分かったというカナダ・アルバーダ大学の研究報告。
妊婦の果物摂取が、乳児の学習や発育にとって有効であることが初めて確認された、というカナダ・アルバータ大学からの研究報告。一般的に果物を摂ると、心臓病や脳卒中など、様々な健康状態のリスクを低下することが知られている。ところが、本研究では、果物の有効性が、早くも胎児の時期から影響することを示している。本研究において、上級著者のプッシュ・マンハーン准教授は、カナダの幼児3,500人以上とその家族が参加した全国の出生コホート研究であるカナダ健康乳幼児縦断発育(CHILD)研究からのデータを使用した。そして、妊娠中に、果物の摂取が多めであった母親の子供は、1歳での発育テストの成績がより優れていることを見出した。従来のIQスケールをモデルとして使用すると、平均のIQは100であり、標準偏差は15である。集団の3分の2は、85から115の範囲に入った。マンハーンらの研究では、妊娠中の母親が、果物やフルーツジュースなどを、1日に、6または7サービング摂っていると、その子供は生後1年で、平均して、得点スケールが6または7ポイント高めであることを示した。1歳の乳児についてマンハーンが示したものと類似している。これらについて、ボルダックは、果物が脳の機能に影響を与えたこと、関与しているメカニズムが進化を通じて維持されてきたこと、さらに種を越えて保存されてきたことを示している、と考えている。とはいえ、天然の糖の摂取が増えることに伴う、妊娠糖尿病や出生時高体重などの合併症の可能性は十分に研究されていないので、果物の過剰摂取に対してマンハーンは警告している。マンハーンはまた、妊娠中に母親が果物を摂取することがもたらす有効性は、時間が経っても子供において持続するかどうか、検討するつもりであるとしている。
2016.6.6, EurekAlertより
出典は『Eバイオ医学』
果物のもつ素晴らしい効果とは?
研究報告では、妊娠中の果物摂取が産まれてくる子への認知発達の関係性についてでしたが、妊娠中のみならず果物には老若男女問わず素晴らしい効果がたくさん含まれています。
・ビタミン、ミネラルが豊富に含まれている
・果物がもつポリフェノールの働きなどにより、生活習慣病の予防にもつながる
・美白や美肌、アンチエイジングなどの美容効果
・むくみ予防
・風邪予防
・免疫力の向上
・抗ストレス作用
・疲労回復
など、果物には他にもたくさんの健康・美容効果があります。
日本人の摂取状況とは?
皆さんは果物を毎日食べていますか?近年、グリーンスムージーなどのブームもあり、流行や健康・美容に気を使う方々は、口にする機会も多くあると思いますが、日本人全体を考えると果物の摂取量は不足しており、先進国中では最低水準とされています。国では、成人男性・女性ともに1日当たり200g以上の果物摂取を目標量としていますが、特に若年層や男性、一人暮らしなどの摂取量が特に低くなっています。
果物200gを摂取するには?
果物200gと聞いてもピンとこないですよね? 各果物の目安個数は以下の通りです。
・目安個数1個…りんご・なし・いよかん・はっさく・夏みかん・デコポン・グレープフルーツ(ルビー)
・目安個数2個…みかん・かき・キウイフルーツ・バナナ・オレンジ
まとめ
果物を選ぶ際には、旬のものや様々な種類の果物を食べることが理想ですが、普段あまり食べない方はコンビニでも手軽に買えるバナナを摂取するだけでも立派な果物摂取につながります。果物不足を簡単に補うために…と、果汁100%ジュースを飲んでもフレッシュな果物と比べると、ビタミンや食物繊維が少なく、エネルギーのみ過剰摂取につながる恐れがあります。100%ジュースは、あくまでもジュースとして考えフレッシュな果物を摂取するよう心がけましょう。
Author Profile
- 栄養士 / ベジフルビューティーセルフアドバイザー / ジュニアファスティングコンシェルジュ
- 美容業界にて内外美容アドバイスを行った後、不妊治療専門クリニックにて妊活中の方に食事のアドバイスなどを行う。現在は育児の傍ら、美容や健康、女性特有の悩みなどに対し、食事からのアドバイスを提案している。
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