「脂質」「脂肪」といえば、体脂肪や高脂血症など、あまり良いイメージを持たれていない方も多いですが、脂質は一部のビタミンの吸収を高める作用のほかにも、細胞や血液の材料となったりさまざまなホルモンの原料になったりと、人間が生きていく上で必要不可欠な存在です。今回は脂質の中でも摂取することを推奨されるオメガ3系脂肪酸についてご紹介します。
オメガ3系脂肪酸とは
脂質を構成する脂肪酸の種類もいくつかあり、摂り過ぎないように控える必要があるものから、人間の体内で合成できず健康のためにも適度の摂取を推奨されているものまであるのです。この体内で作ることのできない脂肪酸が「必須脂肪酸」と呼ばれる多価不飽和脂肪酸の「オメガ3系脂肪酸」と「オメガ6系脂肪酸」の2種類があります。
「オメガ3系脂肪酸」は血液サラサラ効果で知られ、血流改善、コレステロール・中性脂肪値の低下のほかに、免疫力強化や、がんのリスク軽減効果、美容効果などがあり、積極的に摂りたい脂肪酸として注目を集めています。
さらにオメガ3系脂肪酸にも種類が
オメガ3系脂肪酸には、青背の魚に含まれるDHA・EPAをはじめ、えごま油、亜麻仁油(アマニ油)、シソ油、くるみなどの一部のナッツ類、緑黄色野菜、豆類、海藻類などの食品に含まれるα-リノレン酸などがあります。欧米化している日本人の食事では圧倒的に不足しており、特に意識して摂る必要があります。ただ、最近ではα-リノレン酸は摂りすぎに関しての注意喚起もされていますので、一日小さじ1/2以下におさえるのが望ましく、オメガ3系脂肪酸を摂るならお魚がおすすめです。
DHA・EPAの効果と摂取基準
心筋梗塞についての研究では、DHA+EPAを0.9 g/日摂取しているグループで非致死性心筋梗塞罹患の減少が認められているとの結果も紹介されており、生活習慣病予防としてもDHA・EPAをぜひ摂取したいですね。以前はオメガ3系脂肪酸とオメガ6系脂肪酸の望ましい摂取比率は1:4であるとされていましたが、「日本人の食事摂取基準(2015年版)」では、両者の比ではなく、オメガ3系脂肪酸自体の摂取基準が設定されており、一日の目安量であるDHA+EPA 1.0gは、トロなら25g(さしみ2~3切)、さんまなら1/2匹の計算になります。
手軽にDHA・EPAを摂るための楽々お魚レシピ!
そんなDHA・EPAをたっぷり含んだお魚をおいしく手軽にいただけるお魚レシピをご紹介します。簡単レシピなら、毎日でもラクラクでDHA・EPAをしっかり摂取できますね!
オススメレシピ①:まぐろとアボガドの納豆玄米丼
加熱せずにDHA・EPAをお刺身でまるごと摂取できるひと皿メニュー。アボカドにもオメガ3系脂肪酸はたくさん含まれています!
http://cookpad.com/recipe/3381326
オススメレシピ②:手軽にオメガ3☆オイルサーディンサラダ
おつまみや前菜におすすめのメニュー。簡単に料理上手をアピールできますよ♪
http://cookpad.com/recipe/3316044
オススメレシピ③:サーモンステーキ♪サッパリサラダ添え
簡単なのに超豪華。おもてなしにも人気のお野菜たっぷりレシピです。お野菜はお好みの種類でOK!
http://cookpad.com/recipe/405895
いかがでしたでしょうか。
不飽和脂肪酸を多く含む食品は酸化しやすいですので、新鮮な食材を調理後すぐに食べることをおすすめします。簡単メニューでたくさんのオメガ3系脂肪酸を摂取して、健康を保ちましょう!
厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2015年版)」・「日本人の食事摂取基準(2015年版)策定検討会」報告書 科学技術庁資源調査会編 「日本食品脂溶性成分表」より)
クックパッド
Author Profile
- 管理栄養士 / フードスタイリスト
- 食品メーカーでフードスタイリング・食卓分析・商品企画などの経験を積んだのち、フリーの管理栄養士として、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、健康関連のコラム執筆、レシピおこし・料理写真撮影など幅広く活動中。
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