ランニンググループに参加することで喫煙習慣をやめることのきっかけができるかもしれない、というブリティッシュコロンビア大学の研究が発表されました。
ブリティッシュコロンビア大学の研究で、10週間のランニングプログラムを実施した後、そのプログラムを完全にこなしたもののうち半数が禁煙することに成功したと報告されている。
身体活動が禁煙を行う際の支援策として有効であり、また地域ベースでこの様な支援策を構築することが可能であるということが本研究から言えそうである、と研究者は指摘する。自分自身で身体活動を継続したり禁煙をしたりするということが困難である人は多いのだが、その意味でも地域ベースの支援プログラムは有益性が見いだせそうだ。
たとえ、完全に禁煙をすることに成功しなかったとしても、喫煙量を低下させることが出来た点は特筆に値するものである、と研究者は言う。本研究の被験者は多くがランニングをそれまで習慣としたことがない人々であり、一旦このような生活習慣が定着しランニングが日常的になれば、喫煙行動を相殺するようなさらなる健康効果も期待できるのである。
喫煙の弊害
・多数含まれる有害物質
タバコの煙には、約4000種類の化学物質が含まれているといわれています。その中でもわかっているだけでも約200以上が有害物質、発がん性物質は60種類以上にものぼるといわれています。ペンキ除去剤や殺虫剤、工業溶剤と同様の成分が使われているといいます。
・強い依存性
ニコチンには強い依存性があるといわれ、その依存度はドラッグ以上ともいわれています。
・受動喫煙 – 他人の喫煙の影響
国立がんセンターの研究によると受動喫煙による肺がんと虚血性心疾患によって年間6800人が亡くなっていると報告されています。
職場や家庭で受動喫煙にさらされている場合、心疾患(1.25~1.30倍)、肺がん(1.20~1.30倍)ともいわれ、乳幼児など小児に起こりうるとされている影響としては、呼吸器症状(咳・痰など)や乳児突然死症候群(SIDS)などの疾患があるとされています。
・健康に及ぼす弊害
広く知られている肺がんだけではなく、煙が直接触れる口腔・喉頭・気管・気管支・咽頭・食道などのがん以外にも、胃・肝臓・膵臓などのがんの原因となるともいわれています。また、血管のしなやかさを失わせることを起因として、動脈硬化・大動脈瘤・脳卒中・虚血性心疾患といった循環器疾患、呼吸器疾患、妊娠期には早産・死産・低出生体重などの影響についても、喫煙によって引き起こされると判断されています。
禁煙の健康的効果
・寿命の延長
禁煙は若年のうちに始めるほど効果がありますが、何歳であっても遅すぎることはないといわれています。30歳までの禁煙は、非喫煙者と同様の余命が期待できるといわれています。
・呼吸器症状の改善と呼吸器系感染症のリスクの軽減
せきやたんなどの呼吸器症状が改善し、インフルエンザなどの感染症リスクが軽減されるといわれています。
・虚血性心疾患や脳梗塞のリスク軽減
禁煙後1年たつと肺機能が改善し、禁煙2-4年後には虚血性心疾患や脳梗塞のリスクが約1/3減少するといわれています。
・禁断症状からの脱出
ニコチンが切れてイライラするなどの禁断症状がなくなり、精神的に安定しやすくなるといわれています。
・味覚や嗅覚の改善
禁煙により鈍くなっていた味覚や嗅覚が改善され、食事がおいしく感じられるようになります。
まとめ
喫煙の悪影響は広く知られているところですが、禁煙したくても一人ではできない人も多くいます。禁煙外来のほか、ランニングサークルなどに所属することもおすすめです。
Author Profile
- 管理栄養士 / フードスタイリスト
- 食品メーカーでフードスタイリング・食卓分析・商品企画などの経験を積んだのち、フリーの管理栄養士として、栄養指導やダイエットカウンセリングのほか、健康関連のコラム執筆、レシピおこし・料理写真撮影など幅広く活動中。
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