私たちのからだに欠かせない栄養素の一つである「たんぱく質」。毎日の食事で意識して食べられていますか?そもそもたんぱく質とは何でしょうか。からだの中でどのような働きをしていて、不足するとどうなってしまうのでしょうか。今回はたんぱく質について分かりやすくお伝えしていきます。
たんぱく質はアミノ酸の集まり
たんぱく質は約20種類の“アミノ酸”でつくられています。アミノ酸が鎖のようにつながってできていて、その並び方によってたんぱく質の種類が違ってきます。必要に応じて遺伝子から指示を受けて様々な並び方に変化し私たちのからだをつくっています。
たんぱく質の役割とは
からだの中に入ったたんぱく質はアミノ酸に分解されて小腸で吸収されます。吸収されたアミノ酸は肝臓に運ばれ、その一部がたんぱく質に合成され、その他のアミノ酸とともに血液を通って、筋肉や臓器や皮膚や毛髪などの組織をつくっています。その他にも血液成分、ホルモン、免疫の抗体、酵素、遺伝子もたんぱく質でできています。また、エネルギー源としても使われているのをご存知ですか?炭水化物と同じで1g=4kcalのエネルギーになります。
たんぱく質が不足すると・・・
このようにたんぱく質は私たちの細胞一つ一つをつくっている私たちのからだになくてはならない栄養素なのです。そのため不足してしまうと下記のような4つの悪影響があります。
(1)免疫力の低下
抗体がつくられないことで免疫機能が低下して病気にかかりやすくなる
(2)体力の低下
筋肉が落ちからだを動かすエネルギーがつくれなくなる
(3)神経系やホルモンバランスの乱れ
イライラしやすくなる、生理不順など
(4)痩せにくくなる
筋肉の低下、内臓器官の働きが弱くなることにより代謝が悪くなり脂肪がたまりやすくなる
肉や魚、乳製品などを適度に摂れていれば不足することはないのですが、過度なダイエットや偏った食事などが続くとからだ全体の機能が低下してしまいます。肌荒れや白髪、抜け毛が増えた、爪割れなどの症状は慢性的なたんぱく質不足を表しているので注意しましょう!
良質なたんぱく質を摂れるオススメの食材
たんぱく質を構成するアミノ酸20種類のうちの9種類はからだでつくることができないため食事から摂る必要があります。この体内で合成できないアミノ酸を必須アミノ酸といいます。この必須アミノ酸が多く含まれている食品が良質なたんぱく質になります。
なかでも①卵・②牛肉・③鶏肉・④豚肉・⑤牛乳・⑥マイワシ・⑦サケは特に必須アミノ酸のバランスがよく良質なたんぱく質なので積極的に食事の中に取り入れたい食品です。他にも豆類や大豆製品、白米やじゃがいももアミノ酸のバランスが良いです。気をつけたいのが先に挙げた動物性のたんぱく質には脂質やコレステロールが伴ってくるということです。そればかり食べていては他の病気の原因になってしまいますので植物性のたんぱく質も合わせて摂ることで理想的なからだをつくっていきましょう。
いかがでしたか?
厚生労働省が出している日本人の食事摂取基準では男性は60g/日、女性は50g/日(18歳以上)を推奨量としています。たんぱく質を摂るときはビタミンB6の豊富な食材(レバー、マグロ、カツオ、さんまなど)と合わせて摂るといいですよ!たんぱく質の代謝、合成がスムーズになります。この機会にもう一度ご自身の食生活を見直してたんぱく質が入っているかどうか確認してみてください。
資料:厚生労働省HP
Author Profile
- 管理栄養士
- 2010年管理栄養士を取得。社員食堂栄養士、栄養相談員、商品開発など経験するなかで「食べたものが自分をつくっている」ということを改めて実感し、食に関する知識や栄養のバランスがとれた食事の大切さを日々発信している。食いしん坊の1児の母。
Latest entries
コラム2018.01.24香りや風味だけじゃない!ハーブの健康効果!
コラム2018.01.22今からでも間に合う!正月太りを解消できる食事法
コラム2018.01.18食物繊維のススメ!生活習慣病予防のための心強い味方!
コラム2018.01.17便秘予防だけじゃない!ヨーグルトの6つの健康効果