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今回は、『幹細胞の機能に対してニコチンアミドリボシド(NR)が老化した筋肉の再活性化を促進するようだ』―スイス連邦工科大学からの研究報告を紹介。
すでにいくつかの研究から、NRが代謝を高めるのに有効であることが示されている。マウスが年をとると、すべての哺乳動物のように、特定の(例えば、肝臓や腎臓など)の臓器や(心臓など)の筋肉の再生能力が低下する。NRは、これらの臓器を損傷後に修復する機能にも影響する。これは、老化に典型的な疾患の多くにつながるものである。
筆頭研究者のホンボー・チャン博士は、年齢とともにどのように再生過程の機能が低下するかを理解したかったという。そして、いくつかのマーカーを使うことにより、細胞の”発電所”であるミトコンドリアがどのように機能し、年齢とともにどのように機能が変化するかを調節する分子鎖を識別できた。ミトコンドリアの代謝での役割については、すでに十分に実証されている。「しかし、ミトコンドリアが適切に機能することが幹細胞にとって重要であることを今回初めて示すことができた」と共同研究者のヨハン・オーワークスは述べている。
~中略~
「私たちは、2歳の高齢マウスにニコチンアミドリボシドを与えた」と研究者は述べている。「ビタミンB3に近いこの物質は、ミトコンドリア活性において重要な役割をもつ分子であるNAD+の前駆体である。NRを投与されたマウスは、対照マウスよりも筋肉の再生がはるかに優れ、より長く生きていたので、今回得られた結果は非常に有望である。」同時に実施された別の研究では、脳や皮膚の幹細胞に対しても同等の効果が明らかにされた。「この研究は、再生医療の分野に非常に重要な意味をもつ」とオーワークスは述べている。「私たちが考えているのは、体内に異物を導入せずに、食品で摂ることができるもので自分自身を修復する身体能力を回復させることである。」この研究は老化過程に対するものであるが、筋ジストロフィー(筋疾患)のように若い人に影響を与える重大な疾患を治療する可能性も秘めているという。
これまでのところ、NRの使用後、高用量を使用したときでも、有害な副作用は観察されていない。ただし、NRは、すべての細胞の機能を高めるようである。つまり、病的な細胞の機能まで高めてしまう可能性がある。そのため、さらに詳細な研究が必要であるとのことである。
医食同源ということを考えさせられる報告ですね。その一方で、文末にある病的な細胞の機能までを高めてしまう・・・というところに人間の身体の複雑さを感じさせられます。糖尿病によってがん細胞が増殖するのと近い考え方がありますね。
代謝するためにビタミン・ミネラルは重要だと考えている中で、不足しても、摂り過ぎてもダメだとなるとなかなか難しいところです。とはいえ、きちんと身体のメカニズムをおさえた中で、必要な化学反応を起こしていくことで、身体を回復することができると確信しています。そうすることで、誰もが薬に頼ることなく、日常の食生活だけで健康を維持することができるはずなので、そもそもどんな時に何が必要かを知り、必要なものを簡単に手に入れられる世界を創っていきます!
出典
リンクDEダイエット,『臓器の老化を止めるビタミン』